SARI 8421 ART WORKS Painting


SARI8421-Painting

Title:【Flying Gear Wheels】

真っ白い無音の空間。
4〜5m程の大きな黒い歯車のようなものがゆっくりと落ちていく。
歯車の周りを薄い橙の光がふわふわと優しく舞っている。光と目が合う。
何も伝えなくても全てを理解しているような目を見ているとなんだか懐かしい気持ちになる。
長い間離れ離れでやっと出会えた大切な存在、どんな時も常に一緒に居た自分の一部、どっちとも言えず上手く説明出来ない。
けれど、言葉は無くとも通じていてとても身近に感じる。
光が身体をすり抜け、私に触れる。
靄(もや)にくるまれた記憶達がゆっくりかき混ざっていく。
重たいものも絡んだ何かもいつのまにか緩くなり、解けていく。
吸い込む空気がひんやりと柔らく内側の疵(きず)に覆い被さり炎症を癒す。
それと同時に滲みる痛みで息が出来なくなる。
耳鳴りに思考を支配されボーッと視界に入る歯車を眺める。
カチカチと落ちていく歯車は先端の方から徐々に薄くなり透明になっていく。
不要なものが剥がれ落ち光に生まれ変わっていく歯車達を眺めていると自分自身も生まれ変わったような新しい気持ちになれる。