SARI8421-Painting
Title：【生-セイ-】Only Tree not Frozen in a World of Ice
青の洞窟から少し歩くとこの木が居る。
青い木は葉が一枚もなく、今にも枝が折れて落ちそうなくらい枯れかけている。
木の周りには灰みがかった青緑色の草が炎のようにゆらゆらと揺れている。
木を燃やしているようにも、暖めているようにも見える。
その様子を眺めていると催眠術のように意識が自分から剥がされそうになる。
「おいで、おいで」と子守唄のように歌い、優しく引かれ誘われる。
触れる生温い空気でハッと目が醒める。
木に近付きたいが、この草たちが居るのでこれ以上は近付けない。
私はよくこの木に会いに来る。
ギリギリの所まで近づいて、パキッと割れる凍りの草の上に腰を下ろし、今日もこの木と話をする。